白い花弁があの人の着物の色を思い出させた。
「捨て置けないなら、とりあえず俺の部屋に連れて行く」
雪代巴。夕べ、雨の中で拾った女。
思わず抱きしめてしまったのは、気まぐれなんかじゃない。
人の気配が無い事で安堵を得る、寂しい生き物だ。俺は。
既刊・グッズ情報はこちらです。