夫の、手のひらが目に焼きついて。
抱かれたら死ぬと言った君は。(R15)
ここに、あの人がいたのなら。
呼べど還らぬ人の、想いの証。
呼べど還らぬ人の、恨みの証。
巴のため、祝言を延ばして上洛した男。
「人斬りの俺に、帰る場所なんて」
「……人の一生は、まるで川に似ています」
それはまるで男の首が落ちる音に聞こえ、巴は思わず声を出していた。
貴女の顔を見つめるのは、いつも夜だった。